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【背景】区間外乗車

Катюша 2019-10-05 11:38:05
JRの乗車券は基本的なルールとして、
同じ駅を2度通れない、経路を戻ることができないとされています。(当たり前です)
また、あまり知られていないのですが、
新幹線と並行在来線は例外はあるのですが、同じ路線として扱われます。

ここで問題が発生します。
例えば、東海道新幹線遠方から、東京駅まで新幹線で着て、新橋へ行く場合。
これは新幹線が東海道線上の新橋を一度通過した扱いになるので、新橋へ戻れません。
また、東北新幹線から、東京駅まで新幹線で着て、中央線に乗り換える場合。
これは新幹線が東北本線上の神田を一度通過した扱いになるので、
神田を通過する中央線には乗り換えることができません。

でも、皆さん何も気にせず乗り換えていますよね?
実は上のような問題を解決するために、
区間外乗車という規定が旅客営業取扱基準規程第149~152条で設けられています。


全国の箇所を説明するのは大変ですので、ここでは東京周辺で
このブログの主旨上、特に重要なところを抜粋して説明します。

まず第149条で個別に指定されているのが日暮里-上野間です。
・西日暮里駅以遠(田端駅方面)の各駅と三河島駅以遠(南千住駅方面)の各駅との相互間(日暮里駅・東京駅間)
・日暮里駅、鴬谷駅又は西日暮里駅以遠(田端駅方面)若しくは三河島駅以遠(南千住駅方面)の各駅と、
 尾久駅との相互間(日暮里駅・上野駅間、鴬谷駅・上野駅間)
駅名見ても正直よく分からないのですが、
個人的な見解を申しますと、常磐線特急と東北本線の乗り換えについてですね。
常磐線特急が日暮里を通過して上野まで入るので、
東北本線に乗り換える場合、日暮里-上野間を重複してしまう。これを回避する規定です。


続いて、第150条では特定都区市内の発着について書かれています。
例えば東京駅から都区市内の駅へ移動するときに、重複してしまうであろう路線は区間外乗車となります。
逆もしかり、都区市内の駅から東京駅へ向かうときも同様です。


最後に第151条、分岐駅の通過に関する規定です。
都内の場合、神田-東京間、代々木-新宿間が指定されています。
神田-東京は最初の例に挙げた通り、新幹線と中央線の乗り継ぎのせいでしょう。
代々木-新宿も、中央線から湘南新宿ラインの乗り継ぎなどでしょう。


大事なことを最後に書いてしまうのは申し訳ないのですが、
区間外乗車という制度はあくまでも、「乗り継ぎのために、止むなく重複をしてしまう区間の特例」です。
本来なら行くことのできない駅まで進んでしまっているので、
区間外乗車中は途中下車できない(改札から出れない)ことに注意しましょう。